2021年良かった本

2021年はいつにも増して読書をしていたので、備忘録も兼ねて読んだ本の中から10冊を選出。

京都の中華 – 姜尚美

京都旅行をきっかけに手にした一冊。

京都という土地の人々の事情や好みに合わせて変容していった中華料理。

インタビューや系譜が丁寧に書かれていて読み易く大変面白かった。

CALLING IN SICK MAG ISSUE 5: THE CLEM L ISSUE

CALLING IN SICK MAGAZINE

自称Extreme Alternative Cycling Magazine。

この号は私も所有している自転車ブランド”Rivendell Bicycle Works”の見た目はママチャリチックだけど、超タフジャングルステップスルー自転車、”CLEM SMITH Jr. L-style”のみに焦点を当てた号。面白すぎます。分かる人にだけ分かればいい。

ツーリング先でコーヒー淹れて飲むってのは割とよく聞くと思うんだけど、この人達は山頂みたいなところでオリジナルカクテルを作って飲んだりしてるのも最高。陽気。(日本ではやっちゃだめよ)

定期的に配信してる動画も超好きです。

IG:@calling_in_sick_mag

「日本」とは何か – 網野善彦

自分達の民族のルーツ、歴史を知れば自ずと人種差別意識も減っていくんじゃないかなと思えた。

しっかし歴史って学者や時代によって主張が常に覆ってて何を信じたらいいのか分からない(笑)。

プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明 – 武邑光裕

”個人データが収集されていることを知りながら、嬉々としてデジタルツールを使い続ける。「プライバシー」をめぐって矛盾した行動を取り続けるわたしたちは、すでに「プライバシーの死」を受け入れているのか?”

青山ブックセンターでジャケ買いしてしまったこの1冊。

プライバシーの法整備を進めている諸外国が例に挙げられていて、昨今のプライバシーに関する議論がわかります。

そしてデジタルツイン(デジタル空間上の自分の分身)を利用した未来のプライバシーの姿まで提示されています。驚きました。SF好きには堪りません。

これからもインターネット文明を生きていくであろう私達には必読の書ではないかと思います。

闘争領域の拡大 – ミシェル・ウエルベック

現代の経済的自由と性的自由の闘争、競争について書かれています。

苦しみながら読めます。

痛気持ちいいです。

ドMの人はどうぞ。

三体 – 劉慈欣

ついに最終巻まで翻訳されました、「三体」シリーズ。

全宇宙スケール超壮大中国産SF。

自分の薄っぺらい読書体験の中でもトップ級で面白かったかもしれない。

宇宙の果て、時間の果てまで描き切る作者に驚愕する。

それなのに読み易さとエンタメ性も両立させてるのがすごい。

宇宙や異星人に想いを馳せた事ある人全てに読んで欲しい。

近代絵画史 – 高階秀爾

印象派の登場からの絵画史をわかりやすく解説している名著。

絵画についても理解できるんだけど、絵画の変容に伴う価値観の変化について理解を深められて凄く良い本だと思った。

これは中学生くらいのときに読んでおきたかった!

オーバーヒート – 千葉雅也

生々しい情景や風景、匂いまでも表現する作者の言語の使い方が大好き。それに尽きる。

“複雑なタイトルをここに”

故ヴァージル・アブロー氏のハーバード大学デザイン大学院で行われた講義を文字起こしした一冊。

彼のデザイン哲学や仕事への考え方を理解できる。

そして周りへ影響力を与え続ける彼のオープンな気概には尊敬しかない。

ご冥福をお祈りします。

万事快調〈オール・グリーンズ〉 – 波木銅

ド田舎の工業高校、その中の数少ない女子生徒達が主人公。ひょんな事から大麻栽培を始めることになるが…。

マジで最高です。

荒削りでぶっ飛んだ青春小説。素晴らしい。

デビュー作ということで今後がすごく楽しみです。


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